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スポーツ心理学から学ぶ
子供たちの育成・指導


      

― プレーの量が質を高める ―

ボールを投げるにしても、捕る、打つにしても、上手な人はムリ、ムダのないスムーズできれいな動作でプレーする。
けれどもその人たちも、初めは余分な力が入ったぎこちない動作からのスタートだったはずである。
量が質を高めることを意味する「量質転化」という言葉があるように、大人のスポーツ界では、「2万回プレーして一つの技が習得される」といわれる。
最初から質の高いプレーをすることは不可能。
大人に限らず子どもでも、投げる、捕るなどを数多く繰り返しているうちに、自然にムダな動作が省かれてプレーが“サマ”になっていくのではあるまいか。
しかし、取り組んでいるスポーツが大好きで、楽しいと感じているときは無理なく努力できるが、訓練を長く継続する過程ではいろいろ困難や苦難に遭遇し、必ずしも順風満帆にいくとは限らない。
ならば、そういった状況を最小限におさえ、いかにモチベーションを高め続けることができるのか。
指導者の手腕が大いに問われるところである。
それに加えて筆者は、以前(21:忘却は練習直後に最も著しく進行)にも少し触れたように、「自宅練習」を習慣化させることが極めて重要と考えている。



勉強でたとえれば、復習や予習がしっかりできたときは、翌日学校へ行くのが楽しみになる。
スポーツも同じだ。
バットスイングやその場ダッシュなどを10分程度でも家で練習すれば、次の練習や試合で「成果が出るかなー」と期待が高まる。
成果は簡単には出るとは限らないが、コツコツと努力を継続していればふっと可能性が広がる瞬間を感得することができよう。
自宅練習の習慣化は、子どもの自主性任せでは難しいともいえる。
その場合は保護者のサポートも必要だ。
こどもの練習に付き合うのは大変だが、親子の絆を深められる貴重な機会と考えれば、義務的にならずに楽しく続けられるのではないだろうか。


ノースアジア大名誉教授
伊 藤 護 朗


~ profile ~

伊藤 護朗(いとう ごろう)
秋田経大付高、秋田経法大付高(現 明桜高)の部長、監督として甲子園3回出場
秋田経法大野球部監督として全日本大学野球選手権大会(神宮)に2回出場
秋田県アマ野球連盟会長を経て2014年4月から秋田県野球協会 会長(現職)
北東北大学野球連盟顧問
ノースアジア大学法学部長、学生部長を歴任
平成8年ノースアジア大学教授就任
著書、論文、学会発表など研究業績多数
秋田市出身 71歳