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スポーツ心理学から学ぶ
子供たちの育成・指導


      

― 緊張時には細くゆっくり息を吐く ―

 チャンス・ピンチを問わず緊張すると、動悸が激しくなったり、頭が真っ白になったりで思うようにプレーできないという選手が多い。
このようなとき、指導者もチームメイトもこぞって「リキむな」「リラックスしろ」「落ち着け」などと励ます。
 ところが励まされた選手は、そのようにしようとしてもなかなかできない。むしろ「落ち着かなければ」とプレッシャーがかかって、余計に緊張する場合がある。
 そこですすめたいのが、日本古来より行われてきた「丹田呼吸法」という吐く息を中心とした深呼吸だ。
息を吐くだけで副交感神経が自動的に働いて緊張感が和らぐといわれている。
 この際のポイントは、下腹(丹田)を引っ込めながら、少し開けた口から細く長く息を吐き、吸うときは下腹を逆にふくらませること。このコツをつかむまでは下腹に両手を当て、引っ込めるときに軽く押すことを繰り返す。下腹を引っ込めながら息を吐き切れば、そのあとは反動的に息が多量に吸い込まれる。



 普段からこの呼吸法を訓練し、試合の緊張時に即座に「息を吐く」を実施することができれば、落ち着きを取り戻し冷静になることが期待できよう。
 スポーツ緊張とは異なる例えであるが、血圧測定の直前に下腹を引っ込めながら呼気(息を吐く)を行えば、行わない場合より低い数値が表示されることは事実。
人一倍緊張する筆者は、今でも気持ちが高ぶって眠れないときや人前で話すときの上がりの防止策として深呼吸を実施し、効果を実感している。
 深呼吸にはその他にも、心肺機能を高める。ストレスや疲労を軽減する。集中力や記憶力を高める。胃腸の機能を活発にするなど、さまざまな効果があるといわれている。
 子どものときから是非深呼吸法を身に付け、心の安定と健康の維持増進に生かして欲しいと思う。


ノースアジア大名誉教授
伊 藤 護 朗


~ profile ~

伊藤 護朗(いとう ごろう)
秋田経大付高、秋田経法大付高(現 明桜高)の部長、監督として甲子園3回出場
秋田経法大野球部監督として全日本大学野球選手権大会(神宮)に2回出場
秋田県アマ野球連盟会長を経て2014年4月から秋田県野球協会 会長(現職)
北東北大学野球連盟顧問
ノースアジア大学法学部長、学生部長を歴任
平成8年ノースアジア大学教授就任
著書、論文、学会発表など研究業績多数
秋田市出身 71歳