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スポーツ心理学から学ぶ
子供たちの育成・指導


      

― 子どものメンタルトレーニング ―

メンタルトレーニング(以下、メントレとする)といえば、かつては青年期以降のスポーツ選手を対象に行うもの、とするのが一般的な考え方であった。
近時、ようやく中学生にもメントレが取り入れられるようになっているが、小学生(児童)に対する実施については、未だにあまり耳にすることがない。
これまでメントレが、小学生や中学生に積極的に導入されなかったのは、スポーツの経験期間が短く、その上洞察力も十分でないとみなされていたことが大きな原因であったように思う。
確かにメントレの種目の中には、複雑で難解な内容のものもあり、どれでも容易に受け入れられるとはいい難い。
けれども、メントレそのものが専門性や論理性に拘束されるものではない。
要は子どもたちが強い心、挫けない心を持ち、“ここ一番”というときでも持てる力を発揮できるかどうか、であろう。




以前筆者は、ストレスの解消や意識の高揚などを図ることを目的としたメントレ用のCDを作成した。
中学生以上の年齢層を対象に作ったものだが、スポーツ少年団の指導者からも、CDを継続利用していたら団員が「落ち着いてプレーできるようになった」「集中力が高まった」などの感想が寄せられた。
このことで小学生への実施効果を確証したわけではないが、それ以来小学生のスポーツ活動にもメントレの導入を推進してもいいのではないかと強く考えるようになった。
そもそもスポーツは、技術ばかりを教えていればいいというものではない。
技術が上達したとしても、向上心を持ち続けたり、苦難や困難に耐えたりできるような精神力が備わっていなければ、その先長く進化することはできない。
独自で強い精神力を培っていくことも可能ではあるが、意図的に訓練するメントレを導入し実施するほうが効率的で効果も得やすいのではないか。
次回からメントレの具体的方法について述べてみたいと思う。


ノースアジア大名誉教授
伊 藤 護 朗


~ profile ~

伊藤 護朗(いとう ごろう)
秋田経大付高、秋田経法大付高(現 明桜高)の部長、監督として甲子園3回出場
秋田経法大野球部監督として全日本大学野球選手権大会(神宮)に2回出場
秋田県アマ野球連盟会長を経て2014年4月から秋田県野球協会 会長(現職)
北東北大学野球連盟顧問
ノースアジア大学法学部長、学生部長を歴任
平成8年ノースアジア大学教授就任
著書、論文、学会発表など研究業績多数
秋田市出身 71歳