左右に打ち分けられる長打力には自信があった。
１年目のシーズンは木製バットに慣れることを目標に置いた。
社会人の投手はスピード・キレともに高校、大学とはレベルが違い、実際に対戦してみて、スピード、キレの他に重さがあった。
いいスイングをしても芯に当てないとヒットにはならず、力の差を感じ取った１年となった。
それでも、シーズン後半戦で打ったホームランで手応えを感じ取った。
１年目を振り返って、積極的に打ちに行く姿勢が逆に投手を有意にしていたし、いかにコンパクトに振り抜くスイングができるかが課題として残った。
クラブチームでは練習の時間も限られている中で、ビデオやイメージトレーニングで少しでも時間の不足分をコントロールしていきたいと考えている。
守備についても２年目は捕手での出番を増やしたい。
そのために、各チームの研究も課題として明確となった。

今年の目標は”チームの本塁打王”と”正捕手奪取”を目指す。
昨年前半に、当てにいったバッティングをフルスイングにする。
きっかけは、能代松陵の猿田由紀夫監督から「お前の当てにいったバッティングは見たくない」と、言われたことだった。
あとは、正捕手をつかみ、薄い投手層を少しでも手助けしたい。
完全に打ち取れるとは思っていない。
駆け引きの中から、打ち損じをいかにさせるかを考えている。
難しい課題だが、捕手にとってこれほど楽しいものもない。
相手が上だけに必ず“スキ”もでる。
そこをうまくついていきたいと思っている。
能代シニア時代に大沢勉監督から捕手の“いろは”を学んだ。
大沢ＤＮＡを受け継いで自分の色を出し切りたい。
夢は、『クラブ選手権』に出ること。
そのために、「お前の力が必要だ」とチームのみんなから言ってもらえる選手を目指す。

≪文・写真：ボールパーク秋田編集部≫

～ profile ～

	石井　陽夏(いしい ひなつ) 捕手　２０歳 明桜高－ノースアジア大－能代松陵クラブ