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スポーツ心理学から学ぶ
子供たちの育成・指導


      

― イメージの威力 ―

  努力すれば着実に力は向上するものと考えられがちだが、実際はそのように順調にはいかないものだ。
同じように努力しても、前向きな姿勢で頑張るのと、嫌々な気持ちで頑張るのとでは、その成果に大きな差が生ずることになろう。
 偽薬であっても、本物と信じて飲めば効果が出るという「プラシーボ効果」。
褒められたことに、その気なって意外な力を発揮する「ピグマリオン効果」(期待の自己成就)。
これらの例で理解できるように、物事にプラス反応(イメージ)すれば、大きな力を引き出すことが可能となる。
 この現象は、イメージや想像が自律神経に影響を与え、意識の奥底に潜む巨大な力(潜在能力)に自動的に働きかけることによって起こるといわれる。
なので、プラスイメージはその人の能力を大きく増幅させ、マイナスイメージは逆に能力を大きく低下させるということになろう。



 練習でも試合でも、思うように力を発揮できなければ、ついついマイナスイメージ、マイナス思考に陥ってしまう。
そういった思い込みを子ども(選手)たちにさせないように、指導者には是非イメージ活用のメントレを時折行ってもらいたいものだ。
その方法のいくつかの例を次に示してみよう。
 暑すぎず寒すぎずの場所で、座るなどしてリラックスした状態でおこなう。
個人対象か集団対象かは自由であるが、指導者が進行役となって一区切り(30秒、慣れれば15秒)ごとに、目をとじて始め目を開けて終わるようにする。

 指導者①:「自分の得意なプレー」は何ですか。その動きを明確に思い浮かべてみましょう。(長所の自覚)
 指導者②:「この1週間で最もうまくいったこと」は何ですか。そのシーンを思い浮かべて下さい。(回想トレ→自信が湧き充実感を得る)
 指導者③:「理想の選手は誰」ですか。その選手のプレーをイメージしてみましょう。(模倣トレ→真似して上達する)
 指導者④:「自分が集中してプレーしているところ」をイメージしましょう。(守備・打撃・走塁ごとに)
 指導者⑤:「将来どんな選手になりたい」ですか。なりたい自分をイメージして下さい。(創造トレ→目標、理想のイメージ化)

 失敗者は失敗者のように、成功者は成功者のように、人はセルフ・イメージ通りに人生を歩むといわれる。
否定的な考えや感情を排除し、指導者も子どもも肯定的信念をゆるぎなく持ち続けたいものだ。

ノースアジア大名誉教授
伊 藤 護 朗


~ profile ~

伊藤 護朗(いとう ごろう)
秋田経大付高、秋田経法大付高(現 明桜高)の部長、監督として甲子園3回出場
秋田経法大野球部監督として全日本大学野球選手権大会(神宮)に2回出場
秋田県アマ野球連盟会長を経て2014年4月から秋田県野球協会 会長(現職)
北東北大学野球連盟顧問
ノースアジア大学法学部長、学生部長を歴任
平成8年ノースアジア大学教授就任
著書、論文、学会発表など研究業績多数
秋田市出身 71歳