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スポーツ心理学から学ぶ
子供たちの育成・指導


      

― 子どものスポーツ指導五原則  ―

小学生は未熟でひ弱な存在であり、中学生や高校生を指導するような方法では、心も身体も折れたり、壊れたりすることにもなりかねない。  
子どもはもともと自己本位、自己中心的なものの考え方をするものだ。
その上、早成型も晩成型も存在する。
そのような状況の中で、「教えたことはみんな覚える」「努力すれば順調に成果があがる」といった観念に固執してはならないだろう。  
どうすれば、子どもの成長の芽をつむことなく指導できるのか。
それについての基本的考えとして、私が思うことの5項目を次に述べてみたいと思う。

1.メンバー1人ひとりに優しく接する
生徒は好きな先生の教科に興味を示し、成績も向上する傾向がある。スポーツでも、指導者は子どもに優しく接して好かれることが大事ではないか。

2.目標を明確にする
子どもの練習時間は短い。やることを明確に指示し効率性を心掛けよう。くれぐれも「海図のない航海」とならないように。

3.情熱と真剣さを持つ
指導者に求められる要件は多々あるが、特に必要とされるのが情熱と真剣さ。この2つを持っていていてこそ、人を動かすことができよう。

4.結果だけでなく過程も評価
結果がすべてという考え方をすると、途中でどれだけ努力しても失敗すれば無意味となる。そうならないように、過程も重視し評価すべし。

5.子どもの話に耳を傾ける
子どもは好奇心が旺盛で、素朴で単純な質問や意見を述べることも多いが、それを無下に否定されると、物事を深く考えなくなる恐れも。



児童期から厳しく指導し、心身ともに逞しくなるよう育てるべきだという意見もあろう。
もちろんそれも意義あることだが、子どものスポーツには“楽しみ”や“喜び”のあることが最優先されるべきと考えるがいかがでしょうか。


ノースアジア大名誉教授
伊 藤 護 朗


~ profile ~

伊藤 護朗(いとう ごろう)
秋田経大付高、秋田経法大付高(現 明桜高)の部長、監督として甲子園3回出場
秋田経法大野球部監督として全日本大学野球選手権大会(神宮)に2回出場
秋田県アマ野球連盟会長を経て2014年4月から秋田県野球協会 会長(現職)
北東北大学野球連盟顧問
ノースアジア大学法学部長、学生部長を歴任
平成8年ノースアジア大学教授就任
著書、論文、学会発表など研究業績多数
秋田市出身 71歳